夏のこの時期。気になるのは食材の安全性を保てるかどうかだ。そこで、知っておきたいのが冷凍保存の常識。冷凍保存は便利だけれど、ちょっとしたことで味が損なわれたり、食中毒が起こるリスクもある。気になる疑問の答えを、冷凍生活アドバイザーの西川剛史さんに聞いた。, 「冷凍用の保存袋は厚めで、確実に密封できるように作られています。使い捨てがもったいないなら、冷凍用保存容器を利用して。食材を入れ、表面にラップしてからふたを閉めれば乾燥や酸化を防げます」(西川さん、以下同), 「冷凍すると分離してしまうため、解凍したものをそのまま飲むことはできません。シチュー、ポタージュ、ホワイトソースなど加熱料理に使えば問題ありません」, 「アルミホイルでも密封はできますが、レンジで解凍するときに使えない、中身が見えないなどのデメリットもあるので、ラップのほうが便利です」, 「寄生虫などは冷凍によって死にますが、菌は増殖を抑えるだけで、死にはしません。解凍後、活動を再開し、あっという間に増殖しますので、保存袋は使いまわさない、容器はよく洗って、水気を完全にふき取るなど衛生面には十分に気をつけて」, 「スーパーで急速凍結され、正しく解凍されているものであれば、再冷凍しても特には問題ありません。この場合は売り場で赤い汁が出ていないものを選ぶこと。冷凍するときも表面が乾かないように、ぴっちりとラップをして再冷凍を。しょうゆなど調味液につけて水分を与えてから保存袋に入れて冷凍すると、しっとりとしたおいしさが保てます」, 特定の食材の管理も気になるところ。貝割れ大根やブロッコリースプラウトは冷凍できる?. (5)サルコシスティスは、鶏肉の生食により感染する。, (1)冷凍処理は、寄生虫症の予防となる。 2018年7月以降, 情報発信はブログよりTwitterにシフト. 鶏肉に付着する細菌・寄生虫などの食中毒リスク要因を整理して、その死滅温度(D-値)を一覧化しました。... 牛肉に付着する細菌・寄生虫などの食中毒リスク要因を整理して、その死滅温度(D-値)を一覧化しました。 ... 食中毒の原因となる細菌・ウイルスの死滅条件(D-値)を、53-67度の範囲で一覧にしました。食中毒を起こす... D-値の知識なしに低温調理を行うことは、毒キノコの知識なしにキノコ狩りに行くようなものです。あなた... E型肝炎ウイルス(Hepatitis E virus, HEV)は豚の肉や内蔵に感染している恐れのある食中毒原因ウイル... 「とりあえず加熱すれば安全」「冷蔵庫に入れれば...」「冷凍すれば...」と思っている人のための食中毒... 日本語文献で網羅的なリストがないように思ったので作りました。代表的な食中毒細菌・寄生虫の生息環境... 真空調理を行う食材の中心温度が目標温度に達するまでに何分かかるか? その推定値を提供します。sous v... 低温調理/真空調理の食中毒予防方法は通常の調理とは異なり、やや複雑です。その全体像を体系的に書きま... ANOVA Precision Cooker – WIFI 2nd Gen (900 Watts), 栄養細胞 = 増殖できる状態の細胞。ボツリヌス菌は耐熱性の芽胞(身を守るバリアみたいなもの)を形成するため、研究の中心は芽胞の破壊条件に置かれていて、栄養細胞についての研究が全然発見できない。, そもそも検出されること自体が稀だし[1]、毒素生成までかなり(日単位)の時間がかかる, ワタナベ工業 ポリ袋 お料理パック 40枚入X10冊合計400枚セット 半透明 OP-25, そもそも豚肉がHEVの感染源である、という確証がない(そうではないかと”疑われている”という状態), (日本では)劇症化しやすいHEVの遺伝子型(G4)の地理的分布に偏りがあり、豚肉中のHEVのリスクも一様ではないと考えられる, HEVの不活性化条件についての情報が十分にない(確実な安全ラインとされているのは71度20分). note → https://note.mu/nicuisine.  寄生虫の中には、アニサキスやクドア、サルコシスティスなど冷凍処理により死滅するものもある。おおよそ-20℃で4~20時間程度で死滅。, (2)アニサキスは幼虫移行症型 豚肉に付着する細菌・寄生虫などの食中毒リスク要因を整理して、その死滅温度(d-値)を一覧化しました。条虫やe型肝炎ウイルスなどの個別のリスク要因の解説ページ付き。  幼虫移行症型…ヒトが宿主ではない寄生虫が幼虫の状態で人の体内を移行し、種々の症状を起こす。, <アニサキス食中毒> (3)クドアは、ひらめの生食により感染する。 30-56 食品から感染する寄生虫症に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。, (1)冷凍処理は、寄生虫症の予防にならない。 nhkのためしてガッテン(2006年1月11日放送)によればこうです。「日本に流通する豚肉には、寄生虫がいないことを明らかにしていますが、食中毒対策のためにも必ず加熱は必要です!」きっと「明らかにして」は「明らかにされて」であるべ (2)アニサキスは卵移行症型  アニサキスは、加熱に弱く、逆に幼虫では冷凍に弱い(-20℃、数時間で死滅)、60℃以上の加熱では瞬時に死滅する。, (4)肝吸虫は、淡水にすむ魚のうろこや筋肉に寄生し、幼虫をもつ淡水魚の生食により感染する。 30-56 食品から感染する寄生虫症に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。 (1)冷凍処理は、寄生虫症の予防にならない。 (2)アニサキスは卵移行症型 (3)クドアは、ひらめの生食により感染 … Twitter経由で食事会を定期開催するようになった.  肝吸虫による食中毒は、コイやフナ、モロコ、ウグイなどの淡水魚の生食が原因となる。肝吸虫症は肝ジストマ症ともいわれ、肝硬変を発症する場合もある。, (5)サルコシスティスは、馬肉の生食により感染する。 (4)肝吸虫は、不感染調理の豚肉摂取により感染する。  原因はイカやサバ、アジ、タラの生食である。主要症状は胃アニサキス症による激しい胃痛や、腸アニサキス症による激しい下腹部痛である。治療は内視鏡や外科治療によって行われる。  サルコシスティスは馬に寄生する住肉胞子虫である。人に寄生することはない。, 寄生虫の中には、アニサキスやクドア、サルコシスティスなど冷凍処理により死滅するものもある。おおよそ-20℃で4~20時間程度で死滅。, 幼虫移行症型…ヒトが宿主ではない寄生虫が幼虫の状態で人の体内を移行し、種々の症状を起こす。, 肝吸虫による食中毒は、コイやフナ、モロコ、ウグイなどの淡水魚の生食が原因となる。肝吸虫症は肝ジストマ症ともいわれ、肝硬変を発症する場合もある。, 国試頻出『食中毒事件数と患者数の多い順』を確認しよう(食中毒原因物質発生状況より), 30-175 クックサーブシステムの給食施設で、細菌性食中毒の発生を防ぐための対応である。, 25-72 下記の表示のあるお弁当を200名が食べたところ、12時間後に60名が下痢と共に下腹部の腹痛を訴えた。この原因として考えられるのはどれか。. 旋毛虫の幼虫が寄生した動物の肉を、生又は加熱不十分な状態で食べた場合に感染します。 これまで日本国内では通常の食肉(豚肉、牛肉、羊肉、馬肉、鶏肉)での感染例の報告はありませんが、豚肉が感染源と疑われた事例があります。 予防方法 「寄生虫などは冷凍によって死にますが、菌は増殖を抑えるだけで、死にはしません。解凍後、活動を再開し、あっという間に増殖しますので、保存袋は使いまわさない、容器はよく洗って、水気を完全にふき取るなど衛生面には十分に気をつけて」 さらに、スーパーで買った解凍済みの肉は� 豚肉に付着する細菌・寄生虫などの食中毒リスク要因を整理して、その死滅温度(D-値)を一覧化しました。, 鶏・牛・豚の3記事も読みたくない人は、以下の記事に鶏肉・牛肉・豚肉ひっくるめた全リスク要因に対応した死滅温度一覧がありますので、それだけ見ておけばいいかと思います。ちょっと”大味”な論理で一覧表を作っているので、鶏肉・牛肉などのリスク要因を個別に精査した場合よりも値が上振れしていますが、実用性は十分です。, 赤字: 耐熱性1位 青字: 耐熱性2位 ND: No Data(データなし) 寄生虫については、D-値では死滅温度 ND隣の()の中身は推測値(根拠は後述), 以下の記事で書いた”鶏・牛・豚共通リスク要因の整理”と同じ内容です。既に読んだことのある方は、ここをスキップして、次の”豚肉のリスク要因の整理”に進んでください。, 鶏肉・牛肉・豚肉に共通するリスク要因は以下の通りです。[1]の食肉の危害となりうる病原体のリストから抽出しました。(クリックで個別の詳細情報に飛べます), これらのリスク要因については、詳しい死滅条件が分かっているため、十分な加熱殺菌を行うことは通常1)食品を常温放置したりして細菌群に繁殖を許した場合とかが例外jQuery("#footnote_plugin_tooltip_1").tooltip({ tip: "#footnote_plugin_tooltip_text_1", tipClass: "footnote_tooltip", effect: "fade", fadeOutSpeed: 100, predelay: 400, position: "top right", relative: true, offset: [10, 10] });難しくありません。よって、(ジビエや豚肉における)E型肝炎ウイルスなどと異なり、これらのリスク要因が制御方法未知の不確定要素として浮上することはありません。, ただし、詳しい死滅条件という点では、ボツリヌス菌の栄養細胞2)栄養細胞 = 増殖できる状態の細胞。ボツリヌス菌は耐熱性の芽胞(身を守るバリアみたいなもの)を形成するため、研究の中心は芽胞の破壊条件に置かれていて、栄養細胞についての研究が全然発見できない。jQuery("#footnote_plugin_tooltip_2").tooltip({ tip: "#footnote_plugin_tooltip_text_2", tipClass: "footnote_tooltip", effect: "fade", fadeOutSpeed: 100, predelay: 400, position: "top right", relative: true, offset: [10, 10] });は例外です。栄養細胞の生育条件についての文献はありますが、その高温下における死滅速度(つまりD-値)についての文献は見当たりません。, しかし、調理後の長期保存を考えない限り、ボツリヌス菌が問題となることはありません。3)そもそも検出されること自体が稀だし[1]、毒素生成までかなり(日単位)の時間がかかるjQuery("#footnote_plugin_tooltip_3").tooltip({ tip: "#footnote_plugin_tooltip_text_3", tipClass: "footnote_tooltip", effect: "fade", fadeOutSpeed: 100, predelay: 400, position: "top right", relative: true, offset: [10, 10] });ボツリヌス食中毒の予防の大枠を掴んでおけば十分です。, また、セレウス菌・ウェルシュ菌の芽胞も無視します。栄養細胞を倒しておけば、その後の温度管理をよっぽどサボらない限り、これらの芽胞に起因する問題は発生しないからです。, 豚肉のリスク要因のうち、上述の共通リスク要因以外で考慮すべきものは以下の通りです。, マンソン裂頭条虫については、鶏肉編にも書きましたが、記事をself-contained にするために同様の内容を以下に書きます。既に鶏肉編を読んでいる方は、住肉胞子虫の項まで進んでください。, 有鉤条虫・アジア条虫はマンソン裂頭条虫などと同じ条虫の仲間で、死滅温度も同様と考えられるため説明を省略します。, これらの正確な死滅温度は既存文献では確認されていません。同種の寄生虫の死滅条件から推測するに、, 食肉の筋肉中に存在し得るマンソン裂頭条虫の幼虫の死滅温度をテストしたデータは、私の知る限りありません(ご存知の方、是非是非コメントください)が、他の条虫(有鉤条虫・無鉤条虫など)の幼虫は56度(瞬時)で死滅するため、マンソン裂頭条虫についても同様と推測されます。, 通常、寄生虫(と細菌)は、”ある温度”(仮に\(T_{\text{slow}}\)呼びましょう)を境に徐々に死滅へ向かい始め、さらに高温(仮に\(T_{\text{instant}}\)と呼びましょう)では瞬間的に死滅するようになります。他の条虫類では\(T_{\text{instant}}=56\)度でした。また、他の寄生虫の死滅条件を見ていくと、\(T_{\text{instant}}-T_{\text{slow}}\) の差は10度以上あるので、(他の条虫含め)マンソン裂頭条虫も52度などで”やがて”死滅すると推測されます。, ただし、これらは全て”推測”に過ぎません。この推測に納得できない場合は、加熱温度を高くしたり、加熱時間を増やしたり、そもそも低温調理をしないという選択を勧めます。, 厄介です。死滅条件は60度以上の環境でしか知られておらず、50度台の条件は不明です。そのため、牛に寄生するSarcocystis cruzi の場合と異なり(参考: 牛肉に付着する食中毒原因細菌・寄生虫13種類の死滅温度一覧)、既知の死滅条件から50度台の死滅条件を推測することはできません。, 60度における死滅条件を比較すると、豚に寄生するSarcocystis miescherianaの方が牛に寄生するSarcocystis cruziよりもしぶとそうです。そのため、少なくとも牛肉の場合と同じくらいは加熱するべきかと思います。参考までに以下の記事内にあるSarcocystis cruzi の死滅条件の推測値のグラフを載せておきます。, トキソプラズマは以下のように簡単に死ぬので、ちゃんと中心温度を管理できていればまず問題になりません。, トキソプラズマと同様、少しの加熱で死滅します。中心温度を管理できていればまず問題になることはありません。また、日本では検出例がありません。海外在住の方はトリヒナの存在を頭の片隅に入れておいてください。(そもそも有鉤条虫リスクもあるため、豚肉の生食は絶対控えるべきですが。), HEVリスクとどう付き合うべきか、という問に対する答えはかなり複雑です。問題の要点を抽出すると、, そのため、万人に一律にお勧めできるような付き合い方はありません。HEVの詳細を以下の記事で確認して、各自で決めてください。, 参考までに、私(20代男性)の態度を紹介します。自分が食べる範囲では豚の出所が危なくない限りHEVリスクは無視しています。しかし、他人に食べさせる場合にはHEVリスクについて断りを入れて相手の返事を確かめます。また、幼児・妊娠中の女性・高齢者・基礎疾患者には、低温調理した豚肉はそもそも食べさせません。, の2点を頭に入れておくことが重要です。特に、調理中の加熱で死滅しない連中もいるため、加熱以外の食中毒予防手段を知っておく必要があるからです。以下の記事でこの2点を押さえてしまってください。, 大雑把に言って、低温調理・真空調理の第一歩は中心温度の管理にあり、その次に殺菌レベルの管理にあります。以下の記事でこの2点をカバーできます。, [1]危害要因の性質等について(食中毒・汚染率等) 個別の細菌・寄生虫などについての参考文献はその個別ページに参考文献に記載しているので、ここでは省略。, 個人的にはこれ一択。そのうち記事で書きますが、Wi-Fi が圧倒的に便利。外出先にいながら火入れのコントロールが可能。加熱を複数温度に分けて行うなどの場合、外出先から出来ないと不便過ぎる。 最適な加熱条件が分かっているなら、帰宅が遅れた場合に出先から加熱温度を下げて火入れの進行を遅らせる技も使える。, あとは、温度コントロールが命の商品なので、実績あるAnovaが一番安心できるという側面も。安物買って気づかないうちに温度センサー壊れてた→食中毒…とかシャレにならない…。, ワタナベ工業ポリ袋がいいと思います。ジップロックと比較して1枚あたり50%以上のコストダウンが図れます。野菜500gだって余裕で入る。, ただ、ワタナベ工業ポリ袋にはジッパーがないので、密閉時にはクリップイットを。ポリ袋をクリップイットで留めるだけで簡単に密閉できます。袋の真ん中らへんなど、好きな位置で止められるので便利です。, また、クリップイットは-20~140度の温度耐性があり、湯煎にかけたり冷凍庫に放り込んだりしても2年以上1つも壊れていません。かなり丈夫です。, Nick はワタナベ工業ポリ袋 & クリップイットのコンビに非常に広い応用路を見出しており、真空調理 / 通常調理問わず、使わない日はまずありません。(追って記事書きます。)迷ったら買うべし。後悔させない自信ある。, Amazon 欲しい物リスト Amazon ギフト寄付先→fishandnicks(GMAIL) note サポート→ https://note.mu/nicuisine, 数学畑のホームシェフ.