福島県生まれ、博士(農学)。宮城大学食産業学部准教授、「クックパッド食みらい研究所」特任研究員。専門は分子食品学、分子調理学、分子栄養学。主な研究テーマは、鶏卵の機能性に関する研究。『料理と科学のおいしい出会い 分子調理が食の常識を変える』(化学同人)、『必ず来る! 大震災を生き抜くための食事学』(主婦の友社)ほか著書多数。, 出版社にて食育雑誌の編集に携わった後、渡仏。 料理、製菓等を学び、レストラン、パティスリーで研修後、帰国。 雑誌、広告等を中心に活動するほか、都内でおもてなし料理とワインの教室を主宰。近著に、『10・15・20分でできる毎日かわいい園児べんとう』がある。ブログはこちら, 剥きにくいと思っていた半熟だって楽勝♪新しいたまごでも関係ない!理屈は一緒なのだ(^∇^)もぅ2度とゆでたまごの殻剥きを失敗しない宣言!!! 卵殻膜・気室. 卵の鮮度はどうすればわかるのでしょうか? 食塩水に入れてみましよう。 卵は、古くなると、気室に空気がたまり重量が軽くなります。 そのことを利用して、卵を10%の食塩水の中に入れます。すると、古い卵は浮き上がります。 たまごの鮮度を数値で明確に表す方法として「ハウユニット」というものがあります。これは、濃厚卵白(卵黄の周りにある盛り上がった卵白)の高さを計測して導き出します。 ?】加えるだけで食感が変化する「重曹」の不思議な力をひもとく!. 2006 Oct;47(5):561-6. 卵を割らないで外から鮮度が判定できることは極めて有用なことです。そこで、気室高法、比重法(食塩水法)、透視法(透光検卵)、卵殻の肌ざわりなどが考えられてきました。しかし、これらのいずれによっても、厳密な鮮度判定はできません。 卵の大きいほうの一端には、卵の内容物が冷却されたときに形成される気室が内包されている。鶏鶏卵は、検卵中に測定された気室の大きさに応じて等級付けられる。非常に新鮮な卵の気室は非常に小さく、aaの等級を受ける。 USDA National Nutrient Database for Standard Reference, Release 20. F. Karadas et al., Effects of carotenoids from lucerne, marigold and tomato on egg yolk pigmentation and carotenoid composition. Blue eggs, sometimes thought a joke, are a reality, as reported here, El-banna company website, product information, available here. 2007. 私、失敗しないので♫笑。 古代ローマにおいて、卵は、沢山の保存方法を用いて保存された。卵が料理の主体となることも度々あった。ローマ人は、悪霊がそこに隠れるのを防ぐという意味を込めて、皿の上で卵殻を割った。 加熱調理でも食べられるかどうかの判断としては、この濃厚卵白がほとんど確認できないものは加熱しても食べない方がいいでしょう。. “Egg consumption in relation to risk of cardiovascular disease and diabetes: a systematic review and meta-analysis”, https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3683816/, “Millions of eggs removed from European shelves over toxicity fears”, https://www.theguardian.com/world/2017/aug/03/eggs-removed-from-european-shelves-over-toxicity-fears-fipronil, "Food allergen labelling and information requirements under the EU Food Information for Consumers Regulation No. Copyright © TAMASHIN Co.,LTD All rights reserved. すなわち、卵が古くなると気室は大きくなりますが、卵殻から8mm程度の深さを超えるとかなり鮮度が落ちているものと考えられます。 保存方法を守った賞味期限内の卵であればこのような状態になることはありませんのでご安心下さい。 卵殻膜の主成分はタンパク質であり、「外卵殻膜」と「内卵殻膜」の2層から成っており、ともに卵殻に密着しているが、鈍端(どんたん:卵のまるい方の先)においては、離れて空間をつくっている。この部分を「気室」と呼んでいる。 Wondering What The "UEP Certified" Logo Means? その後、気室は、時間の経過に従って、だんだん大きくなってきます。気室の大きさ(深さ)が8mmを超えると、鮮度がかなり低下していると考えられ、7月の室温で1ケ月くらい経過すると、その程度になるといわれています。 。, 卵は、卵白と卵黄の異なる温度でゲル化する複数のたんぱく質を含み、温度によってそのゲル化時間が決定される。卵黄はセ氏65度から70度(華氏149度から158度)の間で、卵白についてはそれぞれセ氏60度から73度(華氏140度から163度)の間と、それぞれ異なる温度帯でゲル化又は凝固する。 卵白には、最高温度で熱に晒されるオボアルブミンが含まれている[24]。しかし、実際には、多くの調理課程において、卵白中のゲル化たんぱく質が最初に高温にさらされるので、オボアルブミンが最初にゲル化するのである[25][26]。, サルモネラ菌は、セ氏71度(華氏160度)で即座に殺菌される。しかし、十分に長い期間、菌が同一個所に保持されていれば、セ氏54.5度(華氏130.1度)においても殺菌することが可能である[27]。サルモネラ菌の問題を避けるために、卵は、卵殻内温度でセ氏57度(華氏135度)で1時間15分程度加熱することが要される。加熱した後の卵白はやや乳化しているが、通常の方法と同様に卵を使用することができる。メレンゲを泡立てる際にはかなりの時間を要するが、最終的な容積は事実上等しくなる。, ゆで卵を煮すぎると、卵の鉄と硫黄化合物のため、又は料理に用いた水に鉄分が豊富に存在した際に、卵黄の周りに緑色の輪状紋が現れることがある。緑色の輪状紋は、卵の風味に何ら影響を与えない。しかし、過剰な調理はたんぱく質の品質に悪影響を及ぼす。冷水中で卵を数分間冷やして完全に冷却すると、卵黄の表面にこの紋が形成されるのを防ぐことができる。, 冷水で卵をゆっくりと加熱するのではなく、卵を沸騰水に入れたときに調理された卵の殻を剥くことは最も容易い方法である[28]。, 卵の古さ及びその保存条件は、卵に大きな影響を与える。しかし、鳥の食生活は、卵の風味に影響する[29]。例えば、茶色卵の鶏の品種が、菜種や大豆の食事を摂ると、その腸内の微生物は、それらを、魚臭のトリエチルアミンに代謝し、卵内の成分に反映する。雌鳥が自由に行動し、よってなす予測不可能な食事は、当然に予測できない卵を生み出すであろう。アヒルの卵は、鶏の卵とは異なるが、鶏の卵に似た風味を持つ傾向にある。, 卵は、周囲の食材の風味を吸収するために、混合物に浸すことが可能である。茶葉蛋は、さまざまな香辛料、紅茶の茶葉を混ぜた醸造酒により、味わい深くなっている。, 不適切に処理された卵は、重度の食中毒を引き起こす可能性のある、多量のサルモネラ菌を含む可能性がある。そのため、食用卵の慎重な保管は、非常に重要である。米国では、卵を洗浄するとき、これは卵殻を洗浄するという意義をもつのであるが、卵の上皮を侵食してしまうといわれている[30]。したがって、USDAは、サルモネラ菌の増殖を防ぐために、冷凍卵の使用を推奨している。, 卵の冷凍は、味と質感を保つことができる。しかし、無傷の卵は、数か月間冷凍せずに放置することができる[31]。欧州では、卵は通常洗浄されない。卵殻は汚れているが、上皮は損傷を受けておらず、冷凍を要しない。米国では、鶏は、サルモネラ菌に対し免疫され、卵は、一般的に21日間安全である。, 卵を保存する最も簡単な方法は、塩でそれを扱うことである[32] 。塩は、バクテリアやカビから水分を引き出し、その成長を妨げる働きをもつ。中国の塩漬けのアヒルの卵は、アヒルの卵を塩水に浸したり、個々に塩と泥や粘土のペーストでコーティングしたりすることで作られている。卵は、浸透圧平衡に達した約1ヶ月後に塩を吸収しなくなる。この卵の卵黄は、はオレンジレッドの色をして凝固するが、卵白はやや液状である。この卵は、時に消費の前に茹でられ、また時には米粥で味付けされる。, もう一つの方法は、まず沸騰させ、酢や塩、香辛料(生姜等)に浸して漬けた卵を作る方法である。卵に赤色を与えるために、砂糖大根の汁が添加されることがある。卵が数時間浸漬されると、卵が切分けられたときに赤、白、黄色の明瞭な色が見える。数日以上漬けた場合、赤色は卵黄に達する[33]。卵が数週間以上混合物中で浸漬されると、酢は、卵殻の炭酸カルシウムの多くを溶解し、卵の中心に深く浸透し、バクテリアやカビの増殖を抑制するのに十分な濃度の酸性になる。この方法で作った漬け卵は、冷凍をしない場合では1年以上保存することができる。, 100年以上保存しうる卵は、処理方法に応じて、数週間から数ヶ月にわたり粘土、木灰、塩、石灰および稲わらの混合物で卵をコーティングする方法を用いて保存される。この過程が完了した後、卵黄は、硫黄とアンモニアの強いにおいを伴う暗緑色のクリーム様物質になり、卵白は、比較的穏やかで明瞭な風味の、暗褐色の透明なゼリー状になる。 この卵の変成剤は塩基性物質であり、卵のpH値を徐々に9から12又はそれ以上に上昇させる。この化学変化は、卵黄の、複雑な風味のないタンパク質や脂肪のいくつかを、より単純で風味豊かなものに分解するものである[34]。これは、いくつかの観点において、無機発酵であるといえよう。, 卵を食さない人々のため、調理に使用される代替物としては、他の上昇剤又は粉砕亜麻種子又はジャガイモデンプン粉等の結合物質が含まれる。豆腐は、その大豆の含有量のために、レチシンの割合が高い。よって、部分結合剤としても作用しうる。アップルソースは、クズウコンやバナナと同様に、用いられうる。抽出された大豆レチシンは、卵由来のレチシンの安価な代用品として包装された食品に用いられていることが多い。ヒマラヤ山脈の塩水や緑色のえんどう豆の缶詰中の液体(アクアファバとも呼ばれる)等の豆のブイヨンは、メレンゲやムースのように、デザートとして用いられる卵白に代わりうるのである。他の卵の代替品は、その高いコレステロールと脂肪含量とを心配する人々のために、卵白だけから作られている。これらの製品には、通常、ビタミン及びミネラル、並びに植物ベースの乳化剤及びキサンタンガムまたはグアーガムなどの増粘剤が添加されている。これらは、本物の卵の栄養と、いくつかの料理上の特性を維持し、オランデーズソース、カスタード、マヨネーズ、及びこれらの代用品の内、焼いたもの等のの食品になりうる。, 最も一般的に食べられる卵である鶏卵は、100グラム当たり155キロカロリーの食物エネルギーと12.6グラムのたんぱく質を提供する(付表を参照されたい)。, 鶏卵は、ビタミンAは19パーセントDV、リボフラビンは42パーセントDV、パントテン酸は28パーセント、ビタミンB1/B2は46パーセントDV、コリンは60パーセントDV、リンは25パーセントDV、亜鉛は11パーセントDV、ビタミンDは15パーセントDVといったビタミン及びミネラル等の、DV指数(米国人の日毎栄養摂取目標平均値)における重要な栄養素を含む。, 卵黄は、日毎栄養摂取目標平均値の3分の2以上に相当する300ミリグラムのコレステロールを含んでいる。, 鶏の飼料は、卵の栄養価に影響を与える可能性がある[35]。例えば、オメガ3脂肪酸が特に高い鶏の卵は、魚油、寒天の種子又は亜麻仁のような栄養源からの多過不飽和脂肪を含む飼料を鶏に与えることによって生成される。牧草地で飼育された自家飼養鶏は、自家飼料を飼料として飼育しても、飼育された鶏と比較してオメガ3脂肪酸が比較的豊富に含まれる卵を産生するのである[36][37]。, USDAの調査によると、様々な鶏卵に多量含まれる栄養素の有意差は認められなかったという。, 卵の中の熱量の半分以上は、卵黄の脂肪に由来する。50グラムの鶏卵(米国では「大きい」と評価され、欧州においては「中程度」の大きさと評価される)には約5グラムの脂肪が含まれている。低コレステロールの食事を摂る人々は、卵の消費を減らす必要があろう。しかしながら、卵の脂肪の内27パーセントのみが飽和脂肪(パルミチン酸、ステアリン酸、ミリスチン酸等)である。卵白は、主として水分(87パーセント)とたんぱく質(13パーセント)から成り、コレステロールを含まず、脂肪についてはほとんど含まれていない[38]。, 今、卵黄が健康面に危険をもたらすか否かとの議論がある。幾つかの研究では、食事中のコレステロール値が、総コレステロール値とHDLコレステロール値の比率を増加させ、従って、体内に存するコレステロールの状況に悪影響を与えるということを示唆している[39]。一方で、一日一度の卵の消費は、健康な人においては心臓病の危険性を増加させないとの研究結果が示されている[40]。ハロルド・マギーは、脂肪、特に飽和脂肪酸は実際のコレステロール値よりも体内のコレステロール量を増加させる可能性が高いため、卵黄中のコレステロールはさしたる問題ではないと主張している。, 研究では、卵の消費と2型糖尿病との関連性について矛盾する結果が示されている。ハーバード大学公衆衛生学校の11万1000人を対象とした、1999年当時の先進的な研究では、「糖尿病患者の卵消費量の増加に伴うCHDの明らかな危険性の上昇については、さらなる研究を要する」と結論付けられている[41]。1992年から2007年にかけて実施された「健康調査Ⅰ及び女性健康調査」は、「データは高頻度の卵消費が、2型糖尿病の危険性増加と関連していることを示唆している」と判断した。2010年に発表された研究では、卵の消費と2型糖尿病との間に関連性の無いことが判明した。さらにもう一つ、2013年からのメタアナリシスでは、卵消費が2型糖尿病発生率を増加させるかもしれないとの考えを支持している[42][43][44]。, 卵は、人間の食事に含まれるホスファチジルコリン(レシチン)の最大の供給源の1つである[45]。 ネイチャー誌に掲載された研究では、食事中のホスファチジルコリンが、腸内の細菌によって消化され、最終的には心臓病と関連する化合物である化合物TMAOに変換されることが示されている[46][47]。, 1999年のハーバード大学公衆衛生学研究では、37851人の男性と、80082人の女性が、「1日あたり最大で卵1つの消費が、健康な男性と女性の間において、CHDや脳卒中のリスクに大きな影響を及ぼす可能性は低い」との結論に達した。4000人規模の研究では、卵を食べると、その代謝産物であるアテローム性動脈硬化症の原因物質TMAOの血中濃度が上昇し、3年間の経過観察後に、心臓発作および脳卒中の危険性が有意に高まるということが、科学者らによって判明した[48]。, 2007年の約10000人規模の、成人を対象とした研究では、冠動脈疾患の危険性が高い糖尿病患者の亜集団を除いて、中程度(週6回)の卵消費と、心臓血管疾患又は脳卒中との間に、相関は見られなかった[49]。栄養失調についての説明の1つは、通常の西洋食では、コレステロール摂取の基盤が非常に高く在るため、血中コレステロールにはほとんど影響を与えないということである[50]。他の研究では、糖尿病患者の卵の摂取量が多いほど、心血管に至る危険性が高くなるという考えを支持している[51]。 2009年の21000人以上を対象としたコホート研究では、「1週に6度までの卵消費は、心臓血管疾患及び死亡の危険性に大きな影響を及ぼさず、1週に7度の摂取は、総死亡率の僅かな上昇に係る危険性と関連している」と結論付けられた。糖尿病の男性では、卵消費は、全死因死亡危険性の増加と関連しており、これについては、心筋梗塞や脳卒中の危険性上昇の示唆的な証拠がある。 2013年のメタアナリシスでは、卵の消費と、心臓病や脳卒中との間に、関連性は見られなかった[52][53]。 2013年の体系的な考察とメタアナリシスでは、卵消費と心臓血管疾患又は心臓血管疾患の死亡率との関連は認められなかった。しかし、2型糖尿病患者と比較して、卵消費量につき、1週に1度未満から1週に1度以上への変化があった。2013年の別のメタアナリシスでは、1週間に卵を4つ食べると、心血管疾患のリスクが6%増加することが判明した[54]。, 卵に関連する健康上の問題は、サルモネラ・エンテリティディスのような病原性細菌による汚染である。クロアカを介してメスの鳥を出る卵の汚染は、サルモネラ属の他の病原菌でも起こり得るので、卵殻が、鳥の糞便で汚染されるのを防ぐために、注意を払わなければならない。米国で、洗浄が商業的に実施されている場合、卵は、産み落とされて数分以内に消毒液で素早く洗浄される。未処理又は未調理の卵からの感染リスクは、鶏が飼われる衛生条件に、一部依存している。, 健康の専門家らは、洗浄した卵を冷蔵し、2週間以内に使用し、余すとことなく調理する必要があるのであって、生の卵を消費するべきではないと勧告している。肉と同様に、生の卵を処理するために使用された容器や表面は、直ぐに食べられうる食物と接触させてはならない。, 2002年の米農務省の調査によれば、卵の汚染にかかる問題は、想定された程度よりは問題となっていない。毎年生産されている690億個の卵のうち、230万個のみがサルモネラ菌に汚染されているという結果が示されているのだ。これは、サルモネラ菌感染が卵によってほとんど誘導されえないことを示している。しかし、これは、卵消費によるサルモネラ・エンテリティディスおよびサルモネラ菌の感染が大きな懸念事項となっている他の国では当てはまらない[55][56]。卵殻は、細菌が侵入するのを防ぐ保護膜として機能するが、これを不適切に取扱い、又は不健康な鶏に卵を産生させた場合には、この保護膜はが壊れる可能性がある。卵の汚染原因の大部分は、卵殻の、上述のような弱点を通って卵中に侵入する。英国の、卵産業協議会は、サルモネラ菌に対してワクチン接種された鶏卵に由来する卵に、ライオンズ・スタンプを付与している[57][58]