B 振り子運動についての、力学的エネルギー保存の法則がわかりません。について。高校生の苦手解決Q&Aは、あなたの勉強に関する苦手・疑問・質問を、進研ゼミ高校講座のアドバイザー達がQ&A形式で解決するサイトです。【ベネッセ進研ゼミ高校講座】 また、0° < θ < 90° としよう。, すでに、物体の運動は、物体に力が働いたときだけ変化することを見た。ここでは、物体を運動させたり変化させたりすることができる量を、その物体が持つエネルギーと呼ぶ。運動している物体は、それが静止しているボールなどの物体に衝突することによってボールを動かせるので、運動する物体もエネルギーを持っている、運動している物体の、運動によるエネルギーを 運動エネルギー(うんどうエネルギー、kinetic energy) という。, さまざまな実験の結果によると、物体の運動エネルギーの公式は、 物体の速さを v [m/s]とし、その物体の質量を m [kg]としたとき、その物体の運動エネルギーをK[J]とすると、運動エネルギーの公式は, なので、たとえば、自動車が時速30kmで走行しているときと、時速60kmで走行しているときとでは、速度が2倍になってるので、運動エネルギーは4倍になっている。, 運動エネルギーを考えるときには物体の速度の大きさだけに注目し、速度の方向は考えないことに注意が必要である。ここで、あるエネルギーを持った物体は他の物体に衝突することで、持っているエネルギーを衝突した物体に与えることが出来る。このように、ある物体が持つエネルギーは他の物体に与えることが出来る。, いっぽう、物体の衝突の際には、音が発生することがある。音は上で述べた通り空気の振動であるので、空気自身も振動を行なうために、速度を持たなければならず、エネルギーを持つことがわかる。この時には、もともと物体が持っていたエネルギーは、他の物体に移っただけでなく、音として放出されたということが出来る。, このように、ある物体が持っているエネルギーは、他の物体のエネルギーになることや全く違った種類のエネルギーとなることが知られている。エネルギーの種類としては、運動エネルギー(うんどうエネルギー)、位置エネルギー(いちエネルギー)、電気エネルギー(でんきエネルギー)、熱エネルギー(ねつエネルギー)などがある。, ふりこの運動では、位置的な高さがいちばん高い状態になったとき、速度が0である。いっぽう、高さの一番ひくい状態のとき、速度が最大の状態なので、運動エネルギーも最大である。, これは、一番高いときと低いときとの位置エネルギーの差が、運動エネルギーに変わった事と、同等である。, ふりこは、もし摩擦や空気抵抗(くうきていこう)を無視すれば、振り子はずっと振れつづけるので、振り子はいちばん高さの高い状態と低い状態とを何度もずっと 交互(こうど)に くりかえしつづける。, この振り子の動きについて、高さ最大の状態と速度最大の状態とのくりかえしの現象(げんしょう)を、エネルギーの考えから見れば、つまり、位置エネルギーと運動エネルギーは、交互に移りかわることができる。, そして、エネルギーの形が位置エネルギーから運動エネルギーに変化しても、あるいは運動エネルギーから位置エネルギーに変化しても、両方のエネルギーを足し合わせた和(= 位置エネルギー + 運動エネルギー )は、変化しない。, ある物体について、位置エネルギーと運動エネルギーとの和を、力学的エネルギーという。, そして、摩擦などによる損失を無視すれば、力学的エネルギーがつねに一定であるという法則のことを力学的エネルギー保存の法則と呼ぶ。, 遊園地にあるジェットコースターは、力学的エネルギーにおける、位置エネルギーと運動エネルギーのうつりかわりを利用している。そのため、ジェットコースターは、高い位置にきたときはコースターの速度がゆっくりであり、低い位置にいるときほどコースターの速度が大きい。, なお、コースターが始めに高い場所にのぼる時には、モーターによって、その高さまで上げられる。, バネなども、振り子のように、速度最大の状態と、速度0の状態とをくりかえし、交互に運動をしつづける。, バネなどのような、力を加えると伸びるが、手を離すなどして力をのぞくと元の長さに戻る性質を、弾性(だんせい)というのであった。, そして、バネのように弾性のある物体にたくわえられたエネルギーのことを弾性エネルギーという。, 弾性エネルギーは、以上の説明で述べたように、位置エネルギーと似た性質がある。(※ 検定教科書によっては、弾性エネルギーを、バネの場合の位置エネルギーである、として見なす場合もある。), そして重要なこととして、ある種類のエネルギーは、別の種類のエネルギーに変換されることがある。, たとえば、太陽からの光のエネルギーにより、水が加熱され、水蒸気とり、上空で雲となれば、, それはつまり、光のエネルギーが、上空にある雲としての位置エネルギーに変換されたことになる。, そして、そのダムの水の落下する力学的エネルギーによって、発電用タービンをまわし、こんどは電気エネルギーに変換されてゆく・・・・。, 自然現象にかぎらず、工業製品でも同様である。たとえば電気ストーブは、電気を熱にしている。いっぽう、火力発電では、火の熱を使って電気を発電する。 たとえば、モーターを使うときなど、そうだろう。, そこで、仕事率(しごとりつ)が、次の式で定義されており、その単位はワット(記号: W)である。, 1秒間に1J(ジュール)の仕事をするのが、1W(ワット)である。つまり、W(ワット)はJ/s(ジュール毎秒)と同じ内容であるが、習慣的にWと書くのが一般である。, 仕事率の単位の「ワット」(記号 W)は、電力の単位の「ワット」(記号 W)と同じ単位である。, もし読者がすでに「エネルギー」という量を習ってれば、ワット(W)とは、1秒間あたりに使われるエネルギーの大きさを表す単位ことである。, なお、現在では使われない「馬力」という単位は、仕事率の単位である。 1馬力 = 約740W である。, 滑車(かっしゃ)とは、中央に1本の軸を持つ自由回転可能な円盤(索輪)と、その円盤(索輪)を支持して他の物体に接続するための構造部とで構成される機構であり、円盤(索輪)外周部に接する棒状物または索状物の方向を案内する目的のほか、索状物の張力を他の物体に伝達したり 索状物へ張力を与える目的に用いる器具である。, ロープ、ケーブル、ベルト、あるいは鎖などの柔軟性を持った索状物を円盤の周囲にかけて使う場合には、円盤外周に沿って2つのフランジとその間に溝を設けて索状物が逸脱しないようにするのが一般的である。力の方向を変えたり、引張力を伝達するだけではなく、機械的倍率を向上させるのにも多用されている。5種類ある単純機械の1つである。英語では複数の滑車を組み合わせた装置を "block and tackle" と呼ぶが、日本語では「滑車装置」あるいは「複滑車」「組み合わせ滑車」などと呼ぶ。, 図 1 - 滑車の方程式の基本。滑車の軸にかかる力 F は、その滑車を支えている線(ロープ)の両端にかかる張力の総和と等しく、平衡状態では両端の張力は等しい。, 図 2 - 単純な滑車システム。単一の動滑車に重量 W の錘が釣り下がっている。線の両端にかかる張力は W/2 となる。したがって機械的倍率は2である。, 図 2a - もう1つの単純な滑車システム。この場合、錘を引き上げる力が下に引っ張る力に変換されている。, 滑車装置の最も単純な理論では、滑車と線(ロープ)に重さがないと仮定し、摩擦によるエネルギー損失もないと仮定する。また、引っ張っても線は伸びないと仮定する。, 平衡状態では、動滑車にかかる力はゼロとする。すなわち、動滑車の軸にかかる力は両側の線に等しく分散して伝わることを意味する。これを示したのが図1である。線が平行でない場合でもそれぞれの線の張力は等しいが、方向が異なるためベクトルとして表した力の総和がゼロになる。, 次に、錘(負荷)の重量とそれが移動した距離の積は、線を引っ張る力(張力)と引っ張った長さの積に等しい。持ち上げた重さを引っ張った力で割った値が滑車装置の機械的倍率である。, このように、滑車装置は、なされる仕事(しごと)の量を変化させない。仕事は、力と距離の積である。滑車は力が少なくて済む代わりに、距離を犠牲にしている。少ない力で負荷を持ち上げることができるが、所定の高さまで持ち上げるにはより長く引っ張る必要がある。, 図2では、動滑車によって重量 W を半分の力で持ち上げることを可能にする。力(図1の赤い矢印)は線の両側に等しくかかり、その一方は天井に固定されている。この単純な装置では、力の方向と重量が移動する方向は同じである。この場合の機械的倍率は2である。重量を引き上げるのに必要な力は W/2 だが、所定の高さまで引き上げるのに2倍の長さの線を引き上げる必要がある。したがって、全体としてなされる仕事(力×距離)は同じである。, 図2aでは2つ目の滑車(定滑車)が追加されており、単に力の方向を反転させている。機械的倍率は変化しない。, 図 3 - 動滑車と定滑車で錘 W を吊り下げている滑車システム。それぞれの線にかかる張力は W/3 となる。機械的倍率は3。, 図 3a - 図 3 と同様だが、引っ張る方向を下に変換している。機械的倍率は3のままである。, 図 4a - さらに複雑なシステム。それぞれの線にかかる張力は W/4 となる。機械的倍率は4。, 定滑車を追加することで機械的倍率を向上させることもできる。図3では、定滑車を追加することで機械的倍率が3になっている。それぞれの線の張力は W/3 で、それぞれの滑車の軸にかかる力は 2W/3 である。図2aのようにさらに定滑車を追加することで力の方向を反転させることができるが、機械的倍率は変わらない。それを図3aに示す。, このように理想的な滑車を追加していけば、機械的倍率をどんどん向上させることができる。実際には滑車を増やせばその重量もかかるし、摩擦も増大する。したがって、現実の滑車装置には使用可能な滑車数の限界がある。図4aには機械的倍率が4の滑車装置を示している。天井への固定箇所がまとめられ、動滑車が1つの軸でまとめられた実用的な実装を図4bに示す。, 滑車がすくない方が効率がよい場合もある。複滑車ではそれぞれの滑車やロープにかかる力が分散される点が最大の利点であり、それによって滑車やロープの耐えられる荷重を抑えつつ、大重量を持ち上げることができる。組み合わせ方によっては、滑車やロープにかかる力がそれぞれの場所で異なることもある。block and tackle では基本的にロープは1本であり、定滑車と動滑車をそれぞれ同じ軸に実装可能という利点がある。, 図のように、傾き θ の斜面があるとしよう。計算の簡単化のため、斜面は滑らかであるとして、摩擦は無いとしよう。