つまり、親権を変更しても子供が育つ環境が問題なく子供にとっての利益に変わりがなければ、わざわざ親権を変更しなくてもいいといえます。現状として、親権変更は難しくあえて変更すべき相当な理由がない限りは、変更が認められるケースはあまりありません。そのため、親権変更調停は慎重に検討し判断を下さなければなりません。, 親権者の変更が行われた件数は、平成23年で約8,000件ありました。親権の変更が認められるのは子供の利益や福祉を考え、子供に必要だと判断される場合のみです。家庭裁判所調査官の調査に加えてもし子供が15歳以上であれば子供の意見も聞き、子供の意志が尊重されます。親権変更が認められるのは主に以下のようなケースです。, 上記したような特別な事情がなければ、親権者の変更は認められにくいといえます。親権者が変わっても子供の養育環境にあまり変化がない場合や、特別な事情がなく親権者が変更に応じない場合は、親権の変更は難航するでしょう。, 親権の変更を勝ち取るためには、親権者変更にあたって裁判所が考慮する基準を知っておきましょう。, 子どもが幼いなら母親といるべきという考え方は今でも根付いていますが、10歳を超えるような場合は、子どもの意見を聞く機会も多くなっていますので、子ども自身がどちらの親と一緒に居たいかも重要な指標になります。, 子供がどちらの両親と一緒にいた方がより幸せなのかという判断を裁判所側もしていますが、結局のところは本人にしかわからない部分も多くあるでしょうから、一概に精神的安定といってもどのようなポイントを判断しているのかは、調査員次第になることもあるようです。, 調停は話し合いの場ですが、調停委員も人間ですから、印象が良い方に親権を渡したいとは考えています。そこで、なぜあなたへ親権を変更すべきなのか、証拠になりそうなものを踏まえて主張して、調停委員を味方につけておくことはかなり大事なポイントになるでしょう。, 親権変更の内容は、家事審判調査官が家庭訪問、学校訪問、親や子どもへの意見聴取などによって調査されています。ですので、家庭裁判所調査官の調査がこちらに有利なものとなるよう、事前にしっかり準備しておきましょう。, 必ずしも弁護士に依頼しなくても進めることができますが、親権者変更調停を起こすにあたっては弁護士に依頼されることをお勧めします。弁護士に依頼することによって、弁護士の知識や経験を味方につけることができるので、その意味では心強いでしょう。また、親権者変更調停で有利な結果を獲得しやすくするという点でも、弁護士に依頼するメリットは大きいでしょう。, 一般的に、親権者変更の調停は、親権者の住所地に該当する家庭裁判所に申し立てます。しかし親権者が行方不明の場合は、親権者の子供の住所地に該当する家庭裁判所へ申し立てます。この場合、子供の祖父母などの親族であっても請求が可能です。 離婚後単独親権に対する問題提起や批判は以前からありましたが、近年、欧米諸国などで採用されている離婚後…, 「専業主婦(主夫)だけど離婚したい。でも、離婚後の生活が不安。」、「離婚したいが、専業主婦は離婚後に…, 協議離婚する場合、離婚することと諸条件について夫婦で話し合い、合意した内容を離婚合意書にまとめた上で…, 「ある日突然、見知らぬ住所と差出人の名前が書かれた茶封筒が自宅のポストに届き、中を開けてみると「調停…, 離婚紛争を弁護士に依頼すると高額な費用がかかりますが、依頼によって得られるメリットもあります。 (4)親権の変更にかかる期間はどのくらい? 親権変更の申し立てを行うと、一刻も早く親権変更を認めてもらい、親権を得たいと考えてしまいますが、 親権の変更を行うには時間が必要 です。 まず。調停は申し立ててからすぐに行われるのではなく、2 調停の終了 調停の成立、審判の確定日から10日以内 3. ・当事者目録【ダウンロード】 離婚「後」の親権者の変更は家庭裁判� 1. 親権者になった人には,戸籍法による届出義務がありますので,調停が成立(又は審判が確定)した日から10日以内に,市区町村役場に親権者変更の届出をしなければなりません。届出には,調停調書謄本(審判の場合は,審判書謄本及び確定証明書)のほか,戸籍謄本などの提出が求められることがありますので,詳しくは届出をする役場にお問い合わせください。 当サイト『離婚弁護士ナビ』は離婚問題を得意とする弁護士を掲載しており、事務所への電話は【通話料無料】、電話相談や面談相談が無料の事務所もあります。 大まかな流れは離婚調停の流れと変わりません。離婚調停と異なる点は、調停の間に家庭裁判所調査官が聞き取りなどの調査を行う点です。, 親権者変更の調停を行うための申立てには以下の書類を相手方の住宅地の家庭裁判所に提出しなければなりません。 調停期日の決定 第二回以降の調停 日本では離婚後単独親権制が採用されているため、離婚時には父母の一方を親権者と定めなければなりません。, 離婚時に決めた親権者は、離婚後に変更することができますが、父母の協議による変更は認められておらず、家庭裁判所の調停または審判の申立てを行う必要があります。, また、審判で親権者変更が認められるためには、子どもの福祉(子どもの利益)の観点から一定の要件(事情変更)を満たす必要があります。, 離婚後単独親権制が採用されている日本では、離婚時に父母の一方のみが親権者となります。, しかし、離婚時に定めた親権者について、離婚後に変更することができるという規定があります。, 6 子の利益のため必要があると認めるときは、家庭裁判所は、子の親族の請求によって、親権者を他の一方に変更することができる。, 離婚後の親権者変更は、無条件に認められるものではなく、「子どもの福祉(子の利益)」のために必要があると認めるときに限られます。, しかし、一度決まった親権者を父母の協議によって変更することは認められておらず、必ず家庭裁判所の調停や審判を経なければなりません。, 民法で「子どもの福祉のために必要がある」という要件が課されている以上、、父母が勝手に親権者の変更について判断するのではなく、家庭裁判所という公的機関が確認することが求められているのです。, 家庭裁判所の親権者変更調停では、父母の合意ができれば親権者を変更することができます。, 調停委員会が「子どもの福祉(この利益)」を尊重するよう助言しますが、事実上、父母の合意があれば調停を成立させることができます。, 一方で、親権者変更審判では、家庭裁判所が「子どもの福祉(子の利益)のために必要があると認めるとき」という要件を厳格に捉え、親権者変更の要否について判断します。, 離婚時に取り決めた子どもの親権者について変更を求めるには、まず、家庭裁判所に親権者変更調停を申し立て、親権者変更について父母で協議して合意形成を目指します。, しかし、民法819条では申立権者が「子の親族」と定められており、子どもの祖父母などが申し立てを行うこともできます。, 親権者の病気やケガなど、親権者自身が調停の申立てを行うことが困難な場合を想定して、父母ではなく子の親族が申立権者となっているのです。, 家事調停の管轄については、家事事件手続法第245条第1項で「相手方の住所地を管轄する家庭裁判所または父母が合意で定める家庭裁判所」と定められています。, 家事調停事件は、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所又は当事者が合意で定める家庭裁判所の管轄に属する。, 合意管轄の家庭裁判所に親権者変更調停の申立てを行う場合、申立て時に管轄合意書を提出します。, 親権者変更を要する事情を証明する資料については、提出しなくても調停を進行することができますが、提出しておいた方が事情が正確に伝わりやすいものです。, 申立書、申立事情説明書、連絡先等の届出書、進行に関する照会書などは、裁判所ウェブサイトからダウンロードできます。, 郵便切手の額や枚数は各家庭裁判所で決められているため、事前に確認しておかなければなりません。, 家事部、家事係、調停センターなど家庭裁判所によって名称が異なるので、総合インフォメーションで確認しておきましょう。, 申立ての窓口では、受付担当者が書面審査と費用の確認を行い、不備や不足がなければ申立てが受理されます。, 初回の調停期日は、裁判官や調停委員の都合と調停室の空き状況を考慮して指定されるので、当事者双方の都合の悪い日が指定されてしまうことがあります。, 調停期日通知書記載の期日に出頭できない場合、担当の裁判所書記官に電話して期日の変更を申し出ることで、期日を調整してもらうことができます。, 冒頭説明の後は、申立人と相手方が交互に調停室へ入り、主張や事情を調停委員に説明します。, 調停終了時刻になっても父母が合意に至らない場合、期日の到達点を確認した上で、第2回調停期日が指定されます。, また、調停の話し合いの中で子どもの心情・意向、子どもの状況などが争点となったときは、期日間に家庭裁判所調査官が調査という手続きを行う方針となることがあります。, 親権者変更調停で行われる調査は、親権者変更に対する子どもの心情・意向、子どもの状況・監護状況などです。, 子どもの年齢や能力、父母の主張、非親権者と子どもの関係、面会交流の有無や程度などにより、家庭裁判所が調査内容を決定します。, 家庭裁判所調査官による調査が行われた場合、調査結果を踏まえて調停が進行されることになります。, 親権者変更調停にかかる期間は、父母間で親権者変更の合意ができているか否かによって大きく異なります。, 調停申立て前に父母が親権者変更に合意している場合、第1回期日で調停が成立するため、申立てから約1ヶ月程度の期間で終了します。, 一方で、親権者変更について父母が対立している場合、調停期日数期日をかけて父母の主張整理を行い、期日間に家庭裁判所調査官の調査を行うことになります。, 家庭裁判所調査官の調査は、最低でも1ヶ月以上はかかりますし、包括的に調査するとなれば2~3ヶ月を要します。, また、親権者変更事件は別表第二事件であり、父母が親権者変更に合意しなかった場合は調停不成立で終了し、自動的に審判移行します。, なお、制度上、調停を経ずに審判を申し立てることもできますが、家庭裁判所が調停を先行させるべきと判断すると、調停に付されることになります(付調停)。, 親権者が死亡するなど調停が行えない事情がない限り、原則、審判から申立てをしても調停に付されます。, 家庭裁判所が親権者を変更するか否か判断する場合に考慮する事情は、大きく3つあります。, 離婚時に親権者を決めたときから、親権者による子どもの監護養育にどのような変化があったのかが確認されます。, 具体的な確認事項は、子どもの監護状況、教育、居住環境(転居の有無など)、家庭環境(監護補助者の有無や再婚の有無など)、親権者の不適切な対応(アルコール依存、ギャンブル依存、浪費、児童虐待など)、親権者の健康状態などです。, いずれも、離婚時の状況から悪化していないかどうかという観点から確認されることになります。, 確認されるのは、居住環境、収入や財産、健康状態、監護補助者の有無や補助できる程度、子どもとの関係(離婚後の関わりの有無や程度)などです。, 2 家庭裁判所は、親権者の指定又は変更の審判をする場合には、第六十八条の規定により当事者の陳述を聴くほか、子(十五歳以上のものに限る。)の陳述を聴かなければならない。, 例えば、家庭裁判所調査官の調査結果などから、親権者の監護状況に大きな問題がなく、非親権者の監護態勢に不安要素が散見されたとしても、15歳以上の子どもが非監護親を親権者とするよう希望すれば、原則として、子どもの意思が尊重されます。, また、満15歳未満であっても、子どもの陳述が聴取され、その他の情報と合わせて親権者変更の判断材料とされることがあります。, 親権者変更審判では、裁判官による審問と家庭裁判所調査官による調査の期間を踏まえると、最低でも3~4ヶ月程度はかかります。, 調停不成立後に審判に移行した場合、調停の期間と合わせて1年近くかかるケースもあります。, 家事事件(離婚、遺産分割、成年後見など)を専門に取り扱って12年の経験を踏まえ、「離婚ハンドブック」では、離婚に関する制度や手続きについて行政・司法機関よりも詳しく分かりやすく解説しています。 また、マイナンバー、国民年金、税金、養子縁組、青年後見など、日常生活の中で利用する制度や手続きを分かりやすく解説する記事も掲載しています。 サイト上では詳細なプロフィールは明かしておらず、仕事の依頼も受けていません。. 離婚後に親権者が死亡した場合も、実は自動的に親権者が変更されるのではなく家庭裁判所に申し立て、変更を認めてもらわなければなりません。このケースで行われる調停は通常の調停と変りなく、申し立てた親(生きている親)が親権者として適切かどうか、子供の福祉になるかどうかを調査されます。また子供が15歳以上であれば子供の意見も聞いて総合的に判断が下されます。, 調停は話し合いの場をもって結論を審議されます、そのため、話し合いに参加する調停委員の存在が重要になります。調停委員に良い印象と、あなたに親権変更をすべき正当な理由を証拠と共に主張しましょう。 共同親権(きょうどうしんけん)とは、母親と父親のどちらもが子供に対する親権を持つ制度のことをいいます。現在の日本では、婚姻関係中にのみ共同親権が認められています... 認知とは婚姻関係にない男女の間に生まれた子供を、父あるいは母が血縁上で自分の子供であると公に認めることをいいます。この記事では認知とはどのようなものなのか具体的... 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申立人及び相手方に調停期日通知書が郵送される(申立て受理から2週間程度、相手方には申立書などのコピーや進行に関する照会回答書も同封される), 親権者変更調停は、裁判官1人と調停委員2人(男女各1人)で構成される調停委員会が運営する, 調停は非公開手続で、調停委員、裁判官、調停手続に関わる裁判所の職員は守秘義務がある, 調停は、当事者双方の協議が調停委員に主張や事情を説明し、それを調停委員が相手に伝える方法により進行する, 調停申立ての動機・経緯(調停を申し立てられたことに対する意見や主張、申立人の主張に対する反論), 現在の子どもの状況(子どもの年齢、学籍、監護状況、心身の状況、非親権者との交流の有無や程度など), 面会交流に対する子どもの心情・意向:家庭裁判所調査官が、子どもと面接して親権者変更に対する心情・意向を確認する, 子どもの状況・監護状況:子どもの現在の状況や監護状況と非監護親が準備する監護状況を確認する.