使用機材:pentax kp + pentax da*55mm f1.4 sdm. 世の中が〝フルサイズミラーレス一眼〟時代、それこそ戦国時代に突入していく中で、〝一眼レフカメラ〟それもAPS-Cデジタル一眼レフカメラであるPENTAX KPを買い足してしまいました。期待している役割は「スナップ撮影」用のカメラ。K-1シリーズでスナップ撮影も悪くないですが、もう少し軽快な気持ちで撮影できるようにとKPを加えました。, 軽快に使えるカメラといえば、手元にはフルサイズミラーレス一眼の中でも高性能な部類に数えられるSONY α9もあります。α9を使えば大概の撮影は難なくこなせるわけですが、やはりEVF越しに撮影するスタイルは良くも悪くも便利過ぎ、情緒が足りないなんて贅沢な感覚を覚えます。, ミラーレス一眼のEVFの大きな利点は、撮影結果となる画を常にプレビューしながら撮影できることにあり、とにかく失敗確率が低くて済みます。ただ、実はSONYのEVFは露出補正で±3EVまでしかプレビューが追従せず、それ以上の大幅な補正を加えた場合には撮影結果と差異が発生します。, 肩部にあるメカニカルな露出補正ダイヤルは±3EVしか用意されておらず、操作カスタマイズで前後の電子ダイヤルに露出補正を割り当てて初めて露出補正±5まで適用できるような仕様になっているのも、回転角の確保に加えて、プレビューの追従の問題もあるのではないでしょうか。, どうせ便利なものなら、より完璧であって欲しいというのはワガママかもしれませんが、その点一眼レフカメラの光学ファインダーは潔いですね。目の前の光景を忠実に見据えることで、光の濃淡や、色彩などを正しく視認できます。, ・電子ビューファインダー(EVF):撮影結果が常に見える(ただしそのメーカーの画作りが施されているため、本来の色合いやコントラストではない), ・光学ファインダー(OVF):正しい色合い、光の濃淡が見える(撮影するときの色合い、露出は別途設定する必要があるため、初心者には難易度が高い), 簡潔に並べると、それぞれの強みも弱みも上記のようになるのではないかと思います。撮影シーンや、撮影者との相性にもよりますが、失敗できない撮影にはミラーレス一眼のEVFは圧倒的に有利ですし、撮影するときの楽しさ、写真の技術向上には光学ファインダーがおすすめです。, 自分でそれぞれのカメラを使い分けた限りでは、風景撮影などで遠景を眺めるにはEVFではまだ解像力不足に感じます。(とはいえ拡大してフォーカスを追い込むことができる便利さも備えています), また、ライティングをして撮影する場合にはEVFの露出プレビューはOFFにする必要があるため、クリアで見やすい光学ファインダーの方が使いやすいです。(EVFではフレームレートによってはモデリングランプのフリッカーなんかも気になりますね), さて、前置きが長くなりましたが、実写画像を紹介していきます。レンズごとにまとめておりますので、ご参考にどうぞ。, KPの小型ボディには同じく小型レンズを組み合わせたいところ。1本目のレンズはHD DA21mm Limited。F3.2とあまり明るいレンズではありませんが、とにかく薄型・軽量であることが特長。ここまでコンパクトであれば、多少の開放F値の暗さは目を瞑れます。, 35ミリ判換算32mmとスナップ撮影のためのレンズのようですから、あまり被写界深度が浅い必要もそもそもなさそうです。撮影地は原宿の路地など。, 右上にゴーストが出ています。ただ、かなり強い光が差し込んでましたので、これはレンズの粗というよりは環境のせいでしょう。面白い鉄骨と、その影が気になったので撮ってみました。, コーヒーショップの案内がスタイリッシュでした。左側の通りに歩行者が収まるのを待って一枚。, 原宿にライオンが。ビビットかつコントラスト高めに撮影。スナップ撮影では、色々な仕上がり設定を用いることでバリエーションを作るのが良いのでしょうか。, ありがちですが、ショーケースと写り込みを利用して撮影。DA Limitedレンズは小型に収めるために、すべてにおいて高性能を目指さず、“立体描写”を意識していると聞きます。なるほど、そう言われてみるとマネキンの陰影で立体感が出ているように感じます。, Limitedレンズの中で唯一のズームレンズです。2018年時点では、Limitedで唯一のレンズ内モーター駆動であり、WR(防滴)仕様のレンズでもあります。今どきたった“2倍”のズーム倍率のなかなか男らしい仕様。, 初めて存在を知ったときには、「えーー…」と思いましたが、単焦点のLimitedレンズ3本分(21mm、35mm、40mm)が詰まっているというように考えると「なるほど、アリかも?」となります。, 巷では30mm単焦点として運用しながら、前後10mmの寄り引きができる、というような使い方も推奨されているようです。何にせよ、普通に使用すると半端なズーム倍率ですから、焦点距離と遠近感を意識して撮影するのが吉です。, Limitedレンズとして唯一のレンズ内モーター駆動。DCモーターではありますが、駆動はとても静かでスムーズです。Limitedレンズとしては大ぶりなレンズですが、けたたましい音の出るレンズばかりのLimitedレンズの中では実はスナップ向きかもしれません。, 写りについてはどうかというと、Limitedレンズの中では圧倒的に安定しています。開放F値こそ広角20mmでF2.8、望遠端40mmではF4と明るくないのですが、絞らなくても全域で解像力は高めです。他のLimitedは開放付近ではわりと色にじみも発生しますからね。, HD DA20-40mm Limitedはなかなか立体的で瑞々しい描写をするので、PENTAXのAPS-Cユーザーの方は避けずに試してみたほうが良いです。, パックンフラワーのようなつぼみ。被写界深度はそんなに浅くないため、質感の残ったボケ方をします。, 少し絞り込むだけでなかなか質感を感じられる描写をしてくれます。ここからは横浜の写真です。, 望遠端でもそんなに大きくはボケないのですが、これはこれでアリ?と思えてきます。開放F値が明るいとついついボカし過ぎてしまうのですが、背景の取り入れ方にまで工夫をするようになります。, ホワイトバランスの変更してトワイライトタイムっぽい色合いにしてみます。カスタムイメージ「雅(MIYABI)」を用いると、マゼンタが強調されてより印象的になります。, 広角端が20mm(35ミリ判換算30.5mm)では足りないかな?と思いましたが、フットワークを活かせばどうにかなるようです。観覧車の鉄骨もシャープに描写しています。, ランドマークタワーの上から三脚を使用してガラス越しに撮影。ガラス越しにもかかわらずネオンライトの色などが美しく描かれています。APS-CのカメラとしてはKPの画質はかなり優れているのではないでしょうか。, こちらは手持ちで感度をISO5000まで上げて撮影しています。もちろんノイズは発生しますが、ディティールが溶けてしまうことがありません。最高感度の高さではなく、こいういった実用上の高感度での性能が重要ですね。, HDRで撮影。PENTAXのHDR撮影機能は、SONYなどと異なり、RAW記録に設定していても撮影が可能です。しかもRAWで撮影しておけばHDRの種類だけでなく、HDR OFFにもカメラ内現像ができる優れもの。, HD DA35mm Limitedはマクロレンズ。ですが、このレンズは“標準単焦点レンズ”、“マクロレンズ”2つの役割をこなすレンズとして使うのが正解らしいです。, 35ミリ判換算で53.5mmですので、マクロレンズとしてはワーキングディスタンスが稼げませんが、広めの画角を活かして背景を広めに取り込むことができます。他の望遠マクロと使い分けることで、花の撮影が色々と楽しめるかもしれません。, ぐぐっと寄ると、マクロレンズらしい撮影ができますが、自分やカメラの影の写り込みに注意を払いましょう。, これは原宿のスナップ撮影時の写真。HD DA40mm LimitedはLimitedレンズの中でも一番薄型のレンズ。見た目の小ぶりさは感動的なものがありますが、あまり使いこなせませんでした。どちらかというとFA43mmを使ってしまう確率が高いです。, このレンズはビジュアルがとにかく良いですね。それだけで買いです。PENTAXユーザーにしか味わえないですから。, Limitedではありませんが、非常に安価なAPS-C用単焦点レンズも試してみました。単焦点だけあって描写は全く問題なし。むしろ優秀です。ただ、内部の構造が粗いのか、AFの駆動音がギュンギュンととにかくすごいですね。, HD DA70mm Limitedはなかなか使い所が難しいレンズ。超薄型で、FA77mm Limitedと比べてもとてもコンパクトなのが特長。, 決して甘いわけではなく、心地の良い柔らかさというか“丸み”を感じられる描写が気に入りました。, 葉の部分の溶け込むようなボケ。少し癖があるのもまたLimitedの個性でしょうか。, Limitedレンズとしては最広角にあたる、HD DA15mm Limited。F4の単焦点とこれまた開放F値は暗めですが、ディストーションを抑えて直線を直線として写せるのが特長らしいです。ぜひ吊橋とか、そういった人工物を撮影したいところですが、なかなかタイミングが合わず撮れていません。そのうち追加掲載したいと思ってます。, FA43mm LimitedはAPS-CのKPに装着すると66mm相当の半端な中望遠レンズとなります。けっこー使いやすいですよ?私はPENTAXデビューがフルサイズからだったので、FA43mmの印象は「寄れない(泣)」でした。もちろんそれだけではないですが。APS-Cフォーマットのカメラにフルサイズ用レンズを装着した場合には、見た目の画角が狭くなるので、同じ最短撮影距離でもクローズアップしやすくて便利ですね。, APS-CにFA77mm Limitedというのも中々好きな組み合わせです。いい感じの圧縮効果が得られます。, このレンズはとにかく描写性能が高いですね。FA Limitedの3本の中では一番クセがなく使いやすい。逆にFA31mm Limitedはなんだか個人的にはKPに付けて撮影してもしっくり来ません。, FA Limitedはボケが特徴的というか、主要被写体に対して背面にレイヤーがあるような独特の存在感あるボケ方をします。量感が残るというかなんというか。こればかりは撮って初めてわかる魅力なので、ぜひお試しください。, KPのコンパクトなボディと、Limitedレンズ群のこれまたコンパクトなラインナップは相性抜群。, 良い意味での気楽さと、複数のレンズを一緒に持ち歩いて使い分ける楽しさを感じさせてくれるカメラですよ。, 《新品》 PENTAX(ペンタックス) KP ボディ ブラック[ デジタル一眼レフカメラ | デジタル一眼カメラ | デジタルカメラ ], 《新品アクセサリー》 PENTAX(ペンタックス) バッテリーグリップ D-BG7〔対応機種:KP〕, 《新品》 PENTAX(ペンタックス) HD DA20-40mm F2.8-4ED Limited DC WR ブラック[ Lens | 交換レンズ ], 《新品》 PENTAX(ペンタックス) HD DA15mm F4 ED AL Limited ブラック[ Lens | 交換レンズ ], 《新品》 PENTAX(ペンタックス) HD DA21mm F3.2AL Limited ブラック[ Lens | 交換レンズ ], 《新品》 PENTAX(ペンタックス) HD DA35mm F2.8 Macro Limited ブラック[ Lens | 交換レンズ ], 《新品》 PENTAX(ペンタックス) HD DA40mm F2.8 Limited ブラック[ Lens | 交換レンズ ], 《新品》 PENTAX(ペンタックス) HD DA70mm F2.4 Limited ブラック[ Lens | 交換レンズ ], 次回のコメントで使用するためブラウザーに自分の名前、メールアドレス、サイトを保存する。, 2017年9月まで丸10年間、国内有数のカメラ専門店にてバイヤー(仕入れ担当)を務めておりました。 “4660–170129 PENTAX KPが魅力的すぎてレンズも決めた” is published by 塩澤一洋, Kazuhiro Shiozawa in shiology. 少しでも機材選びの参考にして頂けますと幸いです。 「 「標準レンズ」に返り咲いた老兵 FA50mmF1.4はPENTAX K-1に良く似合う 」への3件のフィードバック insigniachiaki 2016年7月24日. 未だ溢れる物欲とそこそこの知識を活かして機材について紹介してまいります。 標準ズームレンズの中で世界最薄を実現したpentaxの標準ズームレンズです。 軽く、そして何よりも価格が安いということから手に取り安く、18mm-50mmという非常に使い安いレンズであるため、コストパフォーマンスのよいおすすめレンズです。 写り綺麗ですね。全然オールドレンズと思わないです。 pentaxユーザーのコトーです。一眼レフを持つと旅が楽しくなる!というのが持論です。今回は、愛用カメラのpentax kpについて書きたいと思います。pentax kpの外観と付属品pentax kpは2017年4月にリコーから発売された 2005年に発売された「GR Digital」以来、使い続けているGRシリーズ。絶大な信頼を寄せるコンパクトカメラ。, 高性能高画質なGRレンズで受けた光をAPC-Cサイズセンサで写すから、一眼レフと同等かそれ以上の高画質をもたらしてくれる手のひらサイズの写真機。, 全自動で撮影して最高の結果が得られる簡単さ。サッと出してサッと撮影してサッとしまう。操作性が良いので、マニュアル操作で自分の望む設定にするのも快速。, 大好きな操作の一つがMモードでワンプッシュすると適正露出にジャンプできる「Mモード ワンプッシュ」機能。, 絞りとシャッタースピードを設定(固定)するMモードで撮影している時、室内から屋外に出た時など周囲の明るさが大きく変化した場合に、ボタンをワンプッシュすると、瞬時に適正露出に値がジャンプしてくれる。本当に重宝です。, これがあるから安心してMモードを使える。この機能がない他のカメラだと、周囲の明るさが大きく変化した場合、ダイヤルをたくさん回す必要があり、頻繁に明るさが変化する状況だと撮影のリズムを崩しがち。, GRでこのワンプッシュの素晴らしさを知ってしまうと、一眼レフにも付いて欲しいなぁと、叶わぬことを願わずにはいられない。それを写真関係者に話していたら、「PENTAXの一眼レフには以前から標準装備ですよ」と教わってびっくり。自分の無知を悔やみました。1991年発売のZ-1系以来の伝統ある機能で、「ハイパーマニュアル」というらしい。, 早速、ヨドバシカメラに向かう。ちょうど、1月26日に発表された「PENTAX KP」のカタログが積まれていました。それをいただいてきて熟読。このカメラすご〜〜くいい。, 今まで、PENTAXの一眼レフをあまりよく調べていなくて勿体無いことをした。shioが魅力を感じたポイントを順不同で列挙します。, さて、どんなにカメラが良くても写真はレンズ。PENTAXはいいレンズがたくさんある。どのレンズから使い始めるか。, 決めました。まず単焦点は「HD PENTAX-DA 35mmF2.8 Macro Limited」。換算53.5mm相当でワーキングディスタンス3cmまで被写体に寄れる。円形絞りだからボケが綺麗。フードもビルトインで、伸縮自在。納得の作り。スナップ、ポートレイトからマクロまで、撮影領域がとても広くて、万能感max。, 次にズーム。「HD PENTAX-DA 20–40mmF2.8–4ED Limited DC WR」。KP本体に合わせて防滴構造だから、雨天のイベントとか滝の周辺などでも安心して使える。, 加えて、F1.4の薄いピントを楽しむにはシグマ「30mm F1.4 DC HSM」がいい。, The Pentax 645D: Still A Versatile Medium Format Camera, The 5 Traits People Will Secretly Adore You For, How Japanese People Stay Fit for Life, Without Ever Visiting a Gym, The Left Still Doesn’t Understand Trump’s Appeal, 20 Things Most People Learn Too Late In Life, My daughter was a creative genius, then we bought her an iPhone, Here’s what marijuana actually does to your body and brain, Mモードで適正露出にジャンプできるグリーンボタン:この「ハイパーマニュアル」こそ望んでいたもの。PENTAXの一眼レフ、素晴らしい。, 電子シャッター:コンサートを撮影する機会があるshioには静音撮影機能が必須。(念のため申し添えますが、撮影依頼・許可を受けての撮影です), 最高ISO819200の超高感度:ISO100から数えて13段分の高感度。最高ISO感度が高いということは、本気で使える感度域も広いはず。期待大。, AFが〈EV-3〜18〉、AEが〈-3〜20〉:現在、業務撮影のメインであるキヤノン「EOS 6D」はAFが〈-3〜18〉、AEが〈1〜20〉。2012年にEOS 6Dを買った最大の理由がEV-3からAFが効くことでした。最新のキヤノン「EOS 5D Mark IV」でも〈-3〜18〉、AEが〈0〜20〉。KP、素晴らしい。, 防塵防滴:shioが保有している一眼レフには1台もないので、ありがたい。【追記:「EOS 6Dは防滴防塵ですよ」というご指摘をいただきました。確かにそうでした。キヤノンの防滴防塵レンズを1本も持っていないのでEOS 6Dとレンズを「濡らしちゃいけない」前提で4年以上扱ってきたため、記憶から抜けていました。ご教示、どうもありがとうございます。】.